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マルツィショール:平和を祈り、春を告げるモルドバの祭り

更新日:2022年3月16日




皆さん、こんにちは!今日から3月ですね。


毎年3月1日、モルドバおよびルーマニア系住民はマルツィショールという祭りをして厳冬の終わりと生命の再生を祝います。

マルツィショールは、祭りの名前であるとともに、写真のような赤と白の飾りの名前でもあります。

希望、繁栄、そして最高の信仰の象徴であるマルツィショールを愛する人の服に付けて、私たちはまず私たちの土地と地域の平和、私たちの隣人、私たちにとって大切なすべての人について考えます。



これは、遠い昔のお話…


太陽が民衆に交じって踊るために青年の姿を借りて地上に降りたつことがよくありました。今度はこのことに気づいた竜が太陽を追って地上に降りたつと、太陽を捕まえてその城の地下牢に閉じ込めてしまいました。

途端に鳥たちはさえずりを止め、子供たちはもう笑い声をあげることができなくなりましたが、だれひとりとして竜と対決しようとする者はいませんでした。


ある日、ひとりの勇敢な青年が地下牢を探り出し太陽を自由にしてあげようと立ち上がりました。強力な竜に挑戦するために大勢の人々が一緒になって青年を力づけ励ましました。

捜索は夏、秋、冬と季節を越えて続きました。季節が冬になりそれも終わりになる頃、勇敢な青年はとうとう、太陽が閉じ込められている竜の城にたどり着くことができました。

闘いが数日間続いた結果、ついに竜が負けました。負傷して弱った青年はそれでもなんとか太陽を解放することができ、青年を信じて応援した人々を喜ばせました。

自然が再び蘇り、人々の顔に笑みが戻りました。


しかし勇敢な青年はその春を超えることはできませんでした。

青年の生暖かい血が傷口から雪のうえに滴り落ちました。

雪が溶けると春の前触れであるユキノハナ(スノードロップ)という名の白い花が雪解けの地面から芽吹きました。

勇敢な青年の血の最後の一滴が純白の雪の上に落ちると、高貴な目的のために命を捧げた誇りを胸に青年は亡くなりました。


それ以来人々はふたつの房、ひとつは白、そしてもうひとつは赤の房を編むようになりました…



そして現在。


毎年3月1日に男性は愛する女性にマルツィショールというお守りを贈ります。

赤は美しいものすべてへの愛と勇敢な青年の血の象徴でもあり、白は純真、健康、そして春一番に花を咲かせるユキノハナ(スノードロップ)を現しています。


マルツィショールの文字通りの意味は、麗しの3月という意味です。お守りの小さな飾りを襟に着けて冬に別れを告げ春を迎い入れるのです。


世界が平和になりますように祈っています。

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